尽工務店 ~ほっと空間 やすら木の家~

TEL 0183-72-5167  〒012-0015 秋田県湯沢市倉内字八ツ口13-15

結露・断熱
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 結露                               断熱こちら
 

 池やプールなどに石を投げ入れると、石が落ちたところを中心にして波紋が広がります。

 
 また、水は高い所から低い所に流れようとします。

 
 空気も水と同じように、高い所から低い所に流れようとします。

 
 温度の高い空気は、相対的に多くの水蒸気を含むことができますが、温度の低い空気は多くを含めませ

 ん。(学校の授業での「しめり空気線図」を思い出してみてください。)



   
(株)シャノン 家を建てる前に読む本part2 より


 
 住まいの中に温度差があると、必ず温度の低い方(非暖房側)へ空気は移動します。


 その時に多量の水蒸気を含んでいていると、露点温度に達し結露してついには水滴となってしまいます 。


 このことから、結露を防ぐためには住まいの中の温度差を無くす事と水蒸気量を減らす事が重要だと分

 かります。







 
 結露には、大別すると表面結露内部結露(壁体内結露)の二種類あるのをご存じですか?

 
 表面結露は主に窓ガラスや押入れの隅の壁などで発生しやすいのですが、冷えた部分に多量の水蒸気を

 含んだ暖かい空気が触れることで起こります。


 内部結露(壁体内結露)は防湿、気密性が悪い場合に水蒸気が内部(壁体内)に入り込む事で起こります。

 
 さらに、壁の断熱材の外側の通気性が悪いと助長されます。



 
 

 
 表面結露が起こると、水滴になりゴミ・チリ等が付着して「カビ」が生えてそれを餌に「ダニ」が発生

 するようになってしまいます。

 
 ダニの発生により、アトピーやゼンソクにかかり易くなって、家族の健康面に影響を及ぼします。


 一方の内部結露(壁体内結露)は、内部(壁体内)で水滴になるので断熱材も濡れてしまい断熱材本来の機

 能が失われていくようになります。


 このため、暖房用のエネルギー消費量が増え、また断熱材も水滴を含みきれなくなると落下して下部に

 水滴がたまり、土台や柱(根元)が腐れ易くなってきます。

 
 これが幾度となく繰り返されると、構造躯体は次第に耐力を失い、耐力を無くした状態で地震等の強い

 揺れが起こったら、また屋根への多量の積雪と考えると怖くなってしまいます。


 
 通常は、壁表面に仕上材が有るので内部(壁体内)は見えません。

 
 仕上材を取り除いて確認作業を行い、内部結露(壁体内結露)と分り土台・柱等腐朽していた場合、住ま

 い自体の寿命と家族の安全にも関わる事なので、構造躯体を根本からやり直す事態になりかねません。



 多大なお金をかけて建てたマイホーム。


 住宅ローンの返済途中で土台、柱等の構造躯体をやり直すなんて…


 経済的、心理的に大変な負担になってしまいます。(住宅品質確保促進法による、基本構造部の十年間の

 瑕疵保証が義務づけられていますが、その後までずっと保証されている訳ではありません。)




 断熱

 
 断熱(材)は、住まいでの過ごし易さ、暖冷房時のエネルギー量の削減等々多大な効果が期待できるので

 すが、取り付ける位置によって内断熱(軸間断熱または充填断熱工法)外断熱(外張り断熱工法)の二つ

 があります。



 


 
 内断熱(軸間断熱または充填断熱工法)は、従来からの取付方法で、外壁廻りの壁体内部に取り付けま す。

 
 代表的な例として、綿状断熱材グラスウール(袋入り)があります。

 
 暖房した場合、室内側に防湿、気密層を設けないと、室内で発生した水蒸気が壁体内部に入り込み、内

 部結露(壁体内結露)を誘発しやすくなります。


 また、主要構造部である柱と柱の間に断熱材が取付られるので、ヒートブリッジ(熱橋)を引き起こす可

 能性があります。

 
 ヒートブリッジとは、水や空気(熱)は断熱欠損部分等の弱い所があると、そこから集中的に温度の低い

 方(外側)に逃げようとする現象をいいます。ヒートブリッジが起こると負のサイクルが始まり結露を促

 進してしまいます。

 
 外壁廻りで、主要構造部である柱、そして間柱は無断熱なのでヒートブリッジを起こす可能性があり、

 一般部(有断熱)に対して柱、間柱(無断熱)の占める割合は約12~14%位なので無視できません。(土台、

 梁、桁等も無断熱なのでそれも含めると結構大きいです。)


 
 柱(木材-杉))の熱伝導率は0.116W/m℃、断熱材(住宅用グラスウール16K)の熱伝導率は0.045W/m℃

 なので柱と断熱材の厚さが同じだと、柱の方が断熱材の約2.6倍も熱を伝え易いことになります。
 

 特に、パネル工法の内断熱は、ポリスチレンフォーム、ウレタンボード、フェノールフォームボード等

 の性能の良い断熱材(熱伝導率が低い)を使用しているので、木材との熱伝導率の差が大きくなり、より

 ヒートブリッジし易いといえます。


 付加断熱といって更に外側にもう一層設ける方法があります。


 内断熱のみの方法より、ヒートブリッジに対して効果があると思います。







 
 外断熱(外張り断熱工法)は、基礎、土台、柱、梁等の主要構造躯体の外側に断熱材を張り付ける方法

 です。

 
 代表的な例は、板状断熱材ポリスチレンフォーム、ウレタンボードなどがあります。

 
 基礎、外壁、屋根と外側からスッポリと覆われるため、全館暖房にすると主要構造躯体は断熱材の内側

 (断熱空間内)になり、室内側とほぼ同じような温度環境となります。

 
 柱、間柱、梁等の断熱欠損がないためヒートブリッジの心配は無くなります。

 
 主要構造躯体と室内がほぼ同じような温度環境になるという事は、温度差が無くなるので内部結露(壁体

 内結露)も表面結露もほぼ発生しない同時に、壁際にいる場合に冷気を覚えゾクゾク感じる冷輻射も少な

 くなり、主要構造躯体が熱を蓄える蓄熱体にもなり得ます。



 内断熱、外断熱いずれの方法でも「これくらいなら…手抜きをしても大丈夫」というような安易な考え

 、粗雑・粗悪な施工は絶対に許されません。


 なぜなら、施工精度は結露、ヒートブリッジなどの発生を誘発し品質・性能に多大な影響を及ぼすから

 です。



                     施工実例

 内断熱  外断熱
 
内断熱(袋入りグラスウール) 外壁廻り施工
 
外断熱(硬質ウレタンボード) 外壁廻り施工
 
内断熱(袋入りグラスウール) 床下施工
 
外断熱(硬質ウレタンボード) 基礎施工
   
外断熱(硬質ウレタンボード) 屋根施工
 
断熱(袋入りグラスウール)
 
断熱材(ポリスチレンフォームボード)







 自然の家?

 
 何年か前の断熱関連のセミナーでのことでした。

 
 ある人(確か設計屋さんだったと記憶してます)が講師の先生に次のような質問をしていました。

 
 「家は昔から自然と一体として建てられているので、四季を感じられるよう断熱材を無にして、自然と

 一緒に暮らした方が良いのでは?」と…

 
 なるほど、「家」そのものにとっては自然と一体で無断熱にして暖房も入れなければ、温度差はないし

 自然の換気もできるし、結露も起こらないでしょう。


 しかし、それでは住む人、家族をまったく無視した「家」の為の「家」でしかありません。

 そして、住めませんよね。








 なぜ高断熱・高気密・計画換気・全館暖房?
                     

  元凶  住まいの中の温度差  
  区分  < 家族>  < 住まい>
  影響     ・ヒートショック、脳卒中など ・表面結露 露点温度と湿度のバランス
・内部結露 構造躯体の腐れ 短命な家
   
  ・アトピー、ゼンソクなど   ・カビ、ダニの発生

                       


 上記の影響を解消するには?   
 ほぼ均一な温度環境にする 全館暖房   でもランニングコストが高くなる  
     
  断熱性能を高める 高断熱 (ヒーチブリッジのしにくい外  断熱)     ランニングコストを低くするには? 
  隙間風を極力防ぐ 高気密

                   

  暮らし、家庭生活   ・暮らし:炊事、入浴、洗濯他の水蒸気の発生 
・人の呼吸:二酸化炭素の発生
・ 人の活動:チリ、ゴミの発生 
 
 区分   <家族>  <住まい> 
  影響 ・室内空気の汚れ
・不衛生、不健康
・結露の発生
・木材などの腐れ 

                      


  上記の影響を解消するには?
 
 常時新鮮な空気を取り込み、常時汚染空気を排出する 計画換気


            
 まとめ

 
 高断熱・高気密・計画換気・全館暖房の四つのバランスのとれた「家づくり」をすることにより、<家族

 >と<住まい>の両方が健康的で、家族が過ごし易い穏やかな暮らし、家庭生活ができるのです。

 
 注意してほしいのは、「高断熱高気密住宅です。」といって、単に高断熱・高気密だけ行っていて、計

 画換気、全館暖房の無い住宅のケースです。

 
 これでは、バランスが崩れて従来型の住宅よりも、かえって不健康、短命な家になり易いので、気をつ

 けましょう。







  開口部 (窓、サッシ、ガラス)について


 以前は、よく「高断熱、高気密住宅の窓は、なぜあんなに小さいの?」などと言われていましたが、現在

 では窓(サッシ、ガラス)の性能が格段に良くなっています。
 
 
 同じ性能を得るとしても、以前より開口部もワイドにとれるようになってきました。

 
 開口部から外に逃げる熱量(熱損失)は、家全体から外に逃げる総熱量(総熱損失)の約30%~50%位にな

 るので、構造躯体とともに高性能にする必要があります。



 疑問 ・高断熱高気密住宅の窓は、なぜ小さいの?
・高断熱高気密住宅は、息苦しそうで…  
 
 解決方法 開口部も高性能化して大きくできます。                 ・アルミ製サッシをPVC製、木製サッシに
・一枚ガラスをペアガラスに
・さらに、ペアガラスをLow-Eペアガラスに
・トリプルガラスに 


 
 ・窓開閉の誤解

 
 「高断熱高気密住宅は、窓の開け閉めができない。」というような誤解を聴くことがありますが、そん

 な事はありません。


冬季(真冬)    窓を閉める  ・日射の取り込み(パッシブソーラーなど)
・全館暖房
・計画換気 
 夏季(真夏)   窓を閉める ・日射の遮断(庇、ブラインド、カーテンなど) 
・全館冷房(涼房)
・計画換気
 春季、秋季    窓を開けたり、閉めたり ・自然風の取り込み
・計画換気

 

・真冬、真夏の寒さ暑さの厳しい季節は、「窓を閉めて」外部からの熱の侵入を抑えます。


・真夏の日中に、従来型住宅と同じように、窓を開けて涼をとろうと思わないで下さい。


 一度家の中に入った暑気は、なかなか抜けずに(断熱性、気密性が良いので抜けにくい)、夜寝苦しく感

 じることがあります。


 窓を開けるのは、熱くなる前(早朝)に行って涼風を取り込むようにしましょう。



 ・春、秋の穏やかな季節は、「窓を開けて」爽やかな風を取り込みます。


 ・春、秋は従来型住宅と同じように、開けたり、閉めたりと自由です。




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